戦場のメリークリスマス
感想・考察はネタバレありなのでスクロール要注意⚠️

作品紹介
タイトル | 戦場のメリークリスマス |
製作年 | 1983年 |
製作国 | 日本🇯🇵イギリス🇬🇧 |
上映時間 | 123分 |
監督 | 大島渚 |

通常盤はU-NEXTで視聴可能✨
あらすじ
第二次世界大戦下のジャワ山中の日本軍捕虜収容所を舞台に、極限状態におかれた男たちの心の交流を描いた人間ドラマ。
ネタバレあり感想【鑑賞後推奨💡】
ここから鑑賞後のネタバレ含むのでスクロール要注意!
鑑賞後に感想・考察読みたい人向け🐝
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この有名曲しか知らない状態で鑑賞。
戦争シーンがない不思議な戦争映画
出演俳優全員男ってのも凄いし
キャスティングが物凄い!
今となってはたけしは映画界のイメージがあるけど
この時代はお笑い全盛期で
映画で真面目な役なんてってイメージだったらしいけど
監督がなんとかオファーをかけての出演だったらしい
一人だけ日本人でやたらめったら
女形みたいにくっきりした顔立ちのヨノイって軍人いるなぁと思ってたら
なんと坂本龍一だったのか〜!見終わるまで全くわからなかった
坂本龍一の演技はモゴモゴしてて日本語字幕欲しいなと
最初はかなり見にくかったけど時が進むごとに
なんだかリアリティのある人間像に見えて来るから不思議
男しかいない状況で抑えられない性衝動や
ホモセクシャルという同性愛表現も含めてここまで直接的に罵ったり
罪として切腹だハラキリだ舌噛んで自殺だと
静かにだけどバイオレンスに描いていたのが結構衝撃的だった

裁判のやり方も簡素すぎて日本に偏りすぎていたし
そんな中で絶対死刑だと思われた
デヴィッド・ボウイ演じるジャック・セリアズを助けた理由は
ヨノイがどこか彼に魅力を感じてしまったからなのかと感じた
その感情が恋愛だったのか、はたまた人間として惹かれていたのかは
わからないままお互い同じ死の世界へと旅立ってしまうけれど
戦争という世界がなければいい友情が育まれたのでは、とも思わされる

国によってはただの挨拶にすぎないキスの意味も
この時代の日本からすると屈辱に近いものになってしまっていたのも
国の違いや思想の違いがまざまざと表されていて考えさせられる
捕虜になってでも生き抜こうとするアメリカ軍
恥をかいたらすぐに死んで終わらせようとする日本軍
日本が戦争との関わりがなくなった時代に生まれた私からは
到底理解できない日本の切腹文化だけど
国のためや恥をかいたらすぐ死ぬって思想は短絡的すぎないか…
考えることも操られていたのかと思うと不憫に思える

セリアズの過去の回想で出て来る兄弟の制服はこの時代でも普通にかわいい!
国が変わるだけでこんなにも変わるのかとファッションでもわかる。
自分の生きる小さな世界の中でも弟いじめを止められない自分が
国と国との戦争に巻き込まれたときに同じく止めることはできないと
悟ったかのような反抗的な態度だったのかどうかはわからないが
綺麗な思い出の中に拭いきれない悲しみが表されているのがつらい

戦争という中で言葉がハッキリと理解できないのに
不思議なことに友情が芽生えたりもして
トム・コンティ演じるジョン・ロレンスと
ビートたけし演じるハラ軍曹とのなんとも言えない関係も見ていて不思議だった
特にロレンスが捕虜の時代は、とにかくぶん殴られたり
蹴飛ばされたり吊るされたりと拷問を受けまくっていたけど
そんな中でもロレンスはハラ軍曹の人柄のせいではなく
日本という国の考え方に染められてしまった悲しい青年として
全てを許しながら接していたのが物凄いところだった
物語の中盤で酒に酔ったハラ軍曹がロレンスとセリアズを許した時に
クリスマスだし自分がサンタクロースだと言いながら
メリークリスマスとなんども言う言葉、表情に何故だか釘付けになった

そしてそのシーンを最後
立場が逆転したときに再び持って来るのは痺れた
自分が殺す立場から殺される立場に変わったときでも
あの笑顔でメリークリスマスと放ったのは全てを悟っていたからだろうか
ハラ軍曹というキャラクターは本当に不思議で
ロレンスを呼んではぶん殴ったり、切腹だ!とすぐ命じたり
それでいてその家族が恩恵を受けれるように戦死に変えたり
ひたすら故人のために読経したり、捕虜になってからは英語を学んだりと
いいやつなのか悪いやつなのかわからないがどこか憎めなさがある
セリアズがハラ軍曹の顔を見て変な顔だけど瞳は美しいと言ったのも印象的

色々衝撃を与えられた戦争映画だが
なんと今回4K修復版として復刻!
現在DVD、Blu-rayのみの販売だけどこれからが楽しみ
コチラはBlu-ray🔼
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